患者様の訴えの中で、坐っている時は全く症状がないのに、立ち上がったり歩くと足全体の痛み、だるさなどが出現し歩きづらくなるとの訴えをよくお聞きします。それらの症状は休むと治り、ふとももやふくらはぎから足先に症状が広がる事が多いです。ひざの変形や坐骨神経痛の症状としてもみられますが、大きな原因として1.「腰部脊柱管狭窄症(せきちゅうかんきょうさくしょう)」2.「閉塞性(へいそくせい)動脈硬化症」が考えられます。1は腰の背骨が変形し、背骨の中の脊髄を包んでトンネルの役目を果たす脊柱管(せきちゅうかん)が狭く神経の余裕がなくなり、歩いたりする事により神経の血の巡りが悪化し痛みなどがでます。2はコレステロールが高いなどから動脈の壁が硬く厚くなり血の流れが悪く足先への血の巡りが低下する事で症状が出ます。
治療は飲み薬、リハビリなどで対応しますが、症状に応じて血の巡りを良くするために点滴や飲み薬を追加します。ただひどくなると1.では神経の通り道を広げるために背骨の手術をする事があり2.の場合足の壊死を引き起こし切断する事があります。まずバランスのとれた食事(塩分に注意!)、適度な運動、手足を清潔に保つなど日常生活での注意も必要です