時々、診察していて関節(とくにおひざ)が腫れている患者様がおられます。腫れているため、おひざが動きにくく痛みを伴っている時があり、水を抜いて潤滑油の注射をしましょうとお話をした際、よく聞かれます。
水というものは、滑膜という関節の袋から生み出されるもので、全く正常で痛みもないおひざにも約1〜2cc程必ず存在します。いわゆる機械における油と同じで関節をスムースに動かす潤滑油と同時に衝撃をやわらげるクッションの役割を果たしています。
これらの事より、水(関節液)自体は悪いものではなく、作るバランスと使う(消費する)バランスがくずれたときに関節の中に水がたまります。そのため、一度水を抜いただけではそれらのバランスが元に戻らない場合があり、その時は再度水がたまる事があります。
以上より、水がたまれば必ず抜かないといけない事はなく、リハビリや投薬で対応し、それでもひざが腫れて、痛み、動きにくさがある場合に水を抜く事をすすめています。ただし、多量の水の場合は初診でも抜く事があります。